2015/08/16

私の原点ーみりとミミのひみつのじかん



私が小学校1年生の時に出会ったこの絵本。
これがお菓子作りを始めたきっかけとなりました。

ず〜〜〜っと探していたのですがなかなか見つからず。


それもそのはず、

題名を「ミミとリリの魔法の時間」だと思い込んでいたのでした。




どうしてもどうしても、またこの本を手に入れたくて、
覚えている本の内容を元に検索を続けていたらやっと題名がわかりました!


「みりとミミのひみつのじかん」


絶対にまちがいない!!
と思った記憶も結構曖昧なんですね〜(なんせ30年前です)




みりがうさぎのミミと一緒にカップケーキをつくる話ですが、

誰かに好きになってもらったぬいぐるみは年に一度のひみつの時間がもらえたり
’ふくらしこ’を入れ過ぎたカップケーキがくじらになったり
くじらケーキを食べたら自分も風船のように空を飛べるようになったり
おならをしたらしぼんだり(笑)

とても面白く、小学生の女の子には魅力的なおはなしなのです。




カップケーキを作る場面

何度見ても、初めて「ケーキを作りたいな!」
と思った時のワクワクがよみがえってきます。

挿絵を見ていたら、なんだか作りたくなってしまいますよね。



そして絵本の最後にはなんとカップケーキのつくり方が!

楽しい面白いおはなしを読んだ後に、そのケーキのつくり方が載っていれば
ここで作ってみよう!と思わない人なんているのかな、、




私の母は割となんでも好きにやらせてくれたようで、

「オーブンや火が危ないからダメ!」
「もったいないから(材料が)ダメ!」

とは一切言わず、監視もせずに全部ひとりでやらせてくれました。
(そして数知れぬ失敗や火傷や切り傷も財産となりました。)




たったひとつ母に質問したのは

④ ②のボールに③をいれてさっとかきまわす

数字がいっぱいでここの意味だけわかりにくかったのを今でも覚えています。
この他は全部自分で材料を計るところも混ぜるところも焼くところもできました!




そして、本の通りに焼いたケーキは本当においしくて!

自分がこんなにおいしいのが食べれる〜〜!
こんなにおいしいのが作れた〜〜!

ということ以上に、人にあげると喜ばれる!褒められる!というのが嬉しかったのです。


おとなの人に「ひとりで作ったの!」と言ってカップケーキをあげると褒められる
というのがとにかく嬉しくて、何度も何度もこのケーキを焼きました。




私の原点、なんでお菓子を作っているのか、、

それは「人に認められたい」「喜ばれたい」という想いが根本なのかもしれないなぁ。




だから小麦や卵が食べれなくなり、ケーキが作れなくなり、
パティシエを辞めようか!?という思いが頭をかすった時、

「お菓子を作っていない人生なんて死んだのと同じこと!』
というくらいの絶望感を感じたのはそういうことです。

自分の存在意義がなくなってしまう、
自分の愛情表現の手段がなくなってしまう、

大げさに聞こえるかもしれませんが、そんな気がしたのです。



自分じゃない人生を生きるくらいだったら

自営業に失敗するかもしれないけど、
レシピ開発や製造が難しいのは100も承知だけど、
お店をする体力があるかどうかもわからないけど、
食べていけるだけの利益が出るかもわからないけど、
おいしいと言ってもらえるか、受け入れてもらえるかわからないけど、

まぁ死んだように生きるよりはいいよなぁ〜〜〜っと。
すみません、かなり後ろ向きな発言ですがそんなところがこのお店をはじめたスタートです。



このところちょっと色々あって思い悩んでいたので、
この本を読んで原点に戻ってみたくなりました。

お菓子を買いに来てくださるお客様には本当にいつも元気をもらっています。
「食べてくれる人」がいなければ作っても意味がないので。

初心を忘れずいつもワクワクした気持ちで頑張りたいと思います!



p.s. 余談ですがお店の名前を決める時、Coconut Dream以外にこの本の名前を使った

Millie's
Mimi's Bakery

なども候補でしたが、私のイメージに合わず可愛らしすぎる響きな気がしたので却下!
アメリカンダイナーっぽい響きもしますよね。

今でこそCoconut Dream以外ありえない!という感じがしますが
最初の頃はココナッツオイルを使う事も決まっていなかったので、、