2014/06/21

夢のアイシングクッキーへ向けて

小麦・卵・乳・大豆・白砂糖を使わないケーキ屋さん、なんて本当にできるとは思ってもいなかったのですが、最初は「せめてパンケーキだけでも食べられれば!」という感じでした。それから徐々に、マフィンのレシピができて、ケーキのレシピができて、クッキーができて、とひとつひとつ形になってきて「もしかしてお店にできるかも」というくらいのラインアップが揃ってきました。

元々が「代替品」を作るつもりは全くなくて、小麦・卵・乳・大豆・白砂糖なしでも美味しく作れるものを作ろう!というモットーでしたので「○○○をなんとか作ってみたい!」という願望はあまりなかったのですが、一通りベーシックなものができて来るとだんだん欲が出て来ました。

その中でも「もし作れたらいいな〜!需要もあるだろうなぁ〜!」と思っているのがアイシングクッキー。実は普通のパティシエ業を辞めた時、アレルギー対応のお菓子の道に行くか、アイシングクッキー専門の道に行くかで迷った事があります。

というのも、アイシングクッキーを作る作業はとっても好きで熱中してできる事だったし、特に毎日味見をしなくても良いので、卵や乳製品、砂糖がたっぷりでも自分が食べなければ良いと思っていたのです。お菓子の中でも特別な分野なので、製菓の技術というよりはデザイン性やセンス、細かい作業に対する技術などが必要で自分には向いている!とも思っていました。

でも結局、、自分が食べなくても良くても、自信を持って友達や家族やみんなに食べさせられないものを作り続けるのは無理があるな、限界があるなと思ってやっぱり「みんなに安心して食べてもらえるもの、自信を持って提供できるものにしよう!」と決めました。



前置きがまたまた長くなりましたが、そういう事で今の限られた材料でアイシングクッキーを作ってみることにしました!まずはベースとなるシュガークッキーの生地から。これはある程度硬さがないとすぐに割れてしまうけど、ガチガチすぎても食感が悪い。適度な食感にする事がまずは大事。その次に、型抜きした形のまま焼き上がるということも大切です。膨らんだりだれたり広がったりしては、形がきれいに決まりません。という事で食感を軽くするために多めに入れたい油分も適度にしないと生地がダレやすいのです。しかもココナツオイルの場合は油分が多いと逆に生地が柔かくなりすぎるのです。通常はそこの油分や食感や強度を良くするために卵白やはちみつを使います。

そういうところがチャレンジではありましたが、なんとか理想の生地が完成〜!!


思い描いていた通りの、形がキリッと出てかたくももろくもない食感。そのままこれだけで食べてもサクサクでかなり美味しいです。上にアイシングをのせることをふまえてかなり甘さは控え目にしたのですがそれが逆に「こどもビスケット」みたいな素朴な味で美味しい〜 (これはこれでこのまま販売したら売れそう。子ども用のミニミニクッキーの詰め合わせみたくして)

さて、生地が作れたまでは良いのですが次の難関はなんと言ってもアイシング!アイシングには白砂糖(粉砂糖)と卵白は欠かせないのです。卵白以外の水分でもアイシングというものは作れますが、自由自在に線の太さを操れるようなかたさも柔らかさもしなやかさも備えたアイシングは私の経験では卵白のなせる技!という感じです。

それにカラーリングする事を考えるとお砂糖はやっぱり白じゃないとかわいいパステル色や微妙なニュアンスの色は出せません。以前作っていた卵・砂糖・バター・白砂糖ばりばりのクッキーはこんな感じ。参考までに、、(今見るとやはり不自然な色にちょっとためらいを覚えます)


やっぱり色素自体が体に良いものではないし、今のコンセプトから行くと店内にはオーガニックや自然で優しい食材を使ったもの、食材の色を活かしたカラフルなものが並ぶと思うのでこういうアイシングクッキーがあったらやっぱり浮いた感じになるしせっかくのコンセプトがブレてしまう。じゃあやっぱりお砂糖は茶色で行こう!

という事で茶色の砂糖を自分で粉にして(といっても限界があるので市販の粉砂糖のような細かい粒子にはもちろんなりません)アイシングを作ってみました。卵白を入れないアイシングはふわっとならないのでかたいかゆるいかどちらか!微妙なラインのかたさに調整することは難しいです。例えば上の画像のちょうちょ。これはベースにピンクと紫を使っていますが、このアイシングのかたさはゆるすぎると淵からこぼれてしまうけど、かたすぎると表面が滑らかに平らになりません。あとピンクと紫の境目もある程度ぎりぎりの柔らかさがないときれいになじまずにパット見た感じグラデーションぽくならないのです。そして上に絞っている線の方はぎりぎりくらいかためにしないと、線が滲んでくっついてしまいます。赤ちゃんシリーズも単純に見えて、かたさの違うアイシングを何種類も使い分けて部分ごとに色の違うアイシングをなじませたりのせたり描いたりしています。

まぁ、アイシングの達人から言わせたらこんなの序の口!でもっともっとすごい技術がたくさんあるのですがアイシング素人だった私が半年間で習得した技術はこれくらい、、

ということで、茶色いアイシングの場合はまず色が限られ、かたさも2種類くらいしか作れないと思うのでかなりデザインが限られてしまいます。とりあえずイメージを掴むためにパパッと思いついてやってみたのがこんな感じ。


ベージュ茶色はお砂糖そのまんまの色。黒はブラックココアです。ぎょっ!!とする程黒いですが天然の黒色です。(カカオをアルカリ処理してこんな色になるらしいですが、そのアルカリ処理の安全性についてはまだ調べていません。どうか恐ろしいものではありませんように!)同じかたさのアイシングを絞って模様を描く、というのはこれくらいシンプルなものであればできるみたい。

あとビーツの汁を加えたピンクのも作ってみたのですが、茶色+ピンクでやっぱりあまり良い色にはなりませんでした。使えるとしたらこの茶ベージュ、もうちょっと濃い茶色、黒の3色くらいでしょうか。この3色で見栄えの良いデザインを今考え中です。デザインによっては十分かわいいアイシングクッキーを作るのが可能!という事です。

ちなみに1日乾燥させた後のアイシングはパリッと乾き良い感じになりました。若干色がまだらになったり、乾きのムラによる色の濃淡はあるのですがそこまで気にならないレベルだと思います。文字を入れるためにはかなり細い線を描く必要があり、そのためにはかなりお砂糖の粒子を細かくする必要があるので、、、そこは来週の開発の課題にします!とりあえず今の段階ではここまで!



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