2014/03/03

Coconut Dreamについて その1


せっかくのブログなので、Coconut Dreamという名前でこうやってアレルゲンフリーのスイーツを作る活動をすることになった道のりを少しづつ書いて行こうかと思います。他にも同じような境遇の方は多分沢山いると思いますが、きっとなかなか周りに理解されることは難しいのではないでしょうか?

私は30年くらいずっとお菓子作りをしていますが、ここ数年で小麦と卵アレルギーがあることがわかり、低血糖症や副腎疲労症で砂糖も控えた方が良いとわかり、正直パティシエを続けることにかなり迷いました。それでも仕事を辞める事は考えられず、普通のパティシエとしての仕事をしばらくは続けていましたが体調は悪化するばかり。やはりこれではいけない!と次の道を考えるようになりました。

でもスイーツ界にいる私でさえ、アレルゲン対応のお菓子は美味しくない、見た目も地味、材料費は高い、というイメージがありましたし、苦労して開発してもやはりスイーツはスイーツ。食べ過ぎれば低血糖や副腎疲労は悪化します。開発するのに試食しないのは不可能だしなんと言っても食べれないのはストレスです。だって自分が食べたいような美味しいものしか作りたくないし…

いっそお菓子は諦めて違う道に進もうか…でもあてはなく、英語や音楽などの特技はあるもののそれらを使った仕事、生活にわくわくを感じるどころか不安だらけで、結局やはり自分がイキイキと楽しくいられるのはお菓子作りだと再確認しました。イキイキと楽しいことをしていればきっと道も開けるし体調も良くなるだろう!とあまり体調の事は考えないようにして、楽しい事、やりたい事、やれる事だけを考えよう!と。そう決めましたが最初から慣れない材料で美味しいスイーツがどんどん作れるわけでもなく、本当に毎日にように泣いていました。



ところで、Coconut Dreamの名前の後に続くキャッチフレーズ(?)として、「アレルギー対応スイーツ」「グルテンフリースイーツ」「グルテンフリーヴィーガンスイーツ」「アレルゲンフリースイーツ」などなど、、、何がいいのかかなり迷いました。自分のやっている事が簡潔にみんなに伝わらないとダメだし、検索してくれた人に引っかかりやすいように検索しやすいフレーズじゃないときっと検索エンジンでは埋もれてしまう。あとは単純に響きが悪いのもいや。きっと検索する人は(自分も含めて)「アレルギー」という言葉を使うと思うのですが「アレルギー」という名前は美味しいスイーツを連想させないですよね。なんか響きがちょっといやだな、と感じました。あと「アレルギー」と断言する事でその特定の人達にターゲットを絞っているようで、アレルギーじゃない人にももちろん食べてもらいたい!そんなの関係なく誰が食べても美味しいものを作りたい!という気持ちも大きかったのでやっぱり「アレルギー」というワードは外しました。

「グルテンフリー」というワードは今でこそかなり日本でもメジャーになりましたが、やっぱりまだ「グルテン」が何かをちゃんとわかっている人は少ないと思うし、厳密には「小麦アレルギー」と「グルテンアレルギー」は違います。アメリカではグルテンフリーはかなりメジャーで、原材料などもちゃんと工場を別に持って完全グルテンフリーで生産した材料のみを使っています。日本ではきっとまだ完全グルテンフリーの原材料だけを集めるのは難しい(例えばオートミールなど、オート自体にはグルテンはありませんが、生産の過程でグルテンを含む小麦などと同じラインで扱われる事が多いためグルテンフリーとは表記できません)ということで、ちょっとやわらか目に「小麦」という文字を使うことにしました。英語ではglutenと書いてしまっていますがwheatにした方が良かったかな。

「ヴィーガン」もよく理解されていないワードかな?と思いました。完全に動物由来の食品を一切摂らない人たちをヴィーガンといいますが、肉や魚、卵、乳だけではなくはちみつやゼラチンも含まれるのです。私ははちみつやゼラチンは使う事もあるかもしれないと思ったし、自分がヴィーガンではなく肉と魚は食べるのでこの「ヴィーガン」というワードもやめました。卵と乳が入っていない、というのを一言で表すには都合が良いのですけどね。

それと、自分は大豆過敏症もあるので今は大豆も除去しています。アレルギー対応のお菓子だと大豆由来の材料を使うことが多いと思うのですが、そうするとせっかく卵や乳や小麦が入っていなくても食べられない!そんな人も自分以外にも沢山いると思ったのでどうせなら全部大豆なしにしようと気めました。豆乳やきな粉ってかなり使える材料だから、これはかなり悩みました。でも大豆を使っているお店は他にもある、じゃあ自分はなしでやれたらそこにも価値があるんではないかと思ったのです。なんせ、「あぁ、これにも大豆が入ってる」とがっかりする気持ちは自分が一番よくわかりますから。

あとは悩んでもスイーツには欠かせない「糖分」これも何を使うか迷いましたが、とりあえず精製された白砂糖だけは使わない!ということで白砂糖なし、にしました。今でもはちみつが良いのか、メープルシロップが良いのか、てん菜糖か?きび糖?赤糖?黒糖?デーツシュガー、ココナッツシュガー、色々あって何が良いのかまだ模索中です。

長くなりましたが、そういうことでちょっと長めの「小麦・卵・乳・大豆・白砂糖なしのスイーツ」としました。最初「フリー」と書いていたし、英語でもfreeの表記は使っているのですが、ある人に「何々フリーってろくなものがない」みたいに言われたのがとても悔しく、気になっていたのでフリーはやめました。「なし」でもあんまり変わらないか。でも英語ではgluten freeはメジャーなワードなので、他になんて言っていいのかもわからず、とりあえずgluten/egg/dairy/soy/refined sugar freeとしています。


長くなったので続きはまたぼちぼち、、








2 件のコメント:

  1. >やはりスイーツはスイーツ。食べ過ぎれば低血糖や副腎疲労は悪化、開発するのに試食しないのは不可能だし>食べたいような美味しいものしか作りたくない すごくよくわかります!!私は研究職でしたが、化学物質がダメになり、今後を考えているところです。スイーツ、見るだけで心が躍るのは、幸せになるのはなぜだろう。私は趣味、です。しかし、仕事にしたいくらい、好きです。でも身体のことを考えて数年間二の足踏んでいます。Kaoriさんのお話をよんで、本気度が足りないんだな、と反省しました。8日、またいろいろとお話できるのを楽しみにしています♪

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  2. やーのさん、コメントありがとうございます。8日に参加される方ですね!
    やはり同じような事で悩んでいる人はいるのですね、、色々とお話できるのを楽しみにしています♫

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